シビル・ウォーはヴァレンタイン大統領の部下のアクセル・ROが操るスタンドです。
能力は、相手がこれまでの人生で捨ててきた物や人が、具現化して襲い掛かってくるというものです。
ちょっと難解な能力ですが、とにかく恐ろしく、救いの無い能力です。
こんなスタンドに活用方法などあるのでしょうか?
今回は、このシビル・ウォーのスタンド能力の考察と、活用方法を考えてみます。
もくじ
シビル・ウォーの能力
シビル・ウォーは人型のロボットのような外見です。
能力は、相手がこれまで捨ててきた物や人を具現化して、襲わせるというものです。この“捨てる”行為の解釈が幅広く、日常生活で捨てたゴミから、過去に見捨てたり、決別してきた人物まで、全てが対象です。
こうして具現化した物や人物をコントロールして、相手を襲わせることができます。攻撃方法は様々で、基本的には相手に触れると、幕のようなものになって包み込み動けなくしつつ、窒息死させます。また、体を引きちぎるような直接的な攻撃も可能です。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part6 スティール・ボール・ラン 10巻
また、捨ててきた物や人物には、悪い思い出や精神的に傷付いていることが常のため、少なからず精神的なダメージやストレスも与えることができます。
さらにシビル・ウォーの能力には、もう一つの強力な特徴があります。
シビル・ウォーの能力の影響範囲化で、誰かを殺してしまうと、それもその人を捨てた事とみなされてしまいます。その結果、その人が捨ててきた物事までも、自分に襲いかかってきます。
そして、殺された人は“罪が清められた”として、蘇ってしまいます。
これがアクセル・ROの言うところの「罪をおっかぶせる」です。しかし、蘇った後に、罪をおっかぶされた人を殺してしまうと、再び自分がその人の分も含めて、罪をおっかぶされることになってしまいます。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part6 スティール・ボール・ラン 10巻
スタンド能力の影響範囲は、教会のような館の内部です。
この館の空間に入ってきた者は、それだけでシビル・ウォーのスタンド能力が発現して、山ほどの自分が捨ててきた者や人に襲われることになります。
逆に館の外であれば、影響を受けないため、外から内部の人を殺害した場合は、罪をおっかぶることはありません。
特徴
原作中では、シビル・ウォーのスタンドと、本体のアクセル・ROの距離は離れていることから、遠距離操作型スタンドと考えられます。
直接的な打撃攻撃などはせず、あくまでも具現化した物や人に襲わせる戦闘スタイルです。
スピードや精密動作性も“C”と平凡です。
スタンド自体には、これといった特徴は無く、特殊能力が全てといった感じです。
項目 | 評価 | 備考 |
---|---|---|
破壊力 | なし | |
スピード | C | |
射程距離 | C | |
持続力 | B | |
精密動作 | C | |
成長性 | なし |
その他のスペックで特徴的なのが、破壊力と成長性が“なし”となっていることです。
これまでどのスタンドもスタンドの像が存在すれば、破壊力や成長性が”なし”と評価されることはありませんでした。
あんまりな過小評価に感じます…。
特殊能力
シビル・ウォーの特殊能力は、能力の影響範囲内に入ってきた人が、過去に捨ててきた物事を具現化して襲わせることです。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part6 スティール・ボール・ラン 10巻
これには次のような特徴があります。
- 単なるゴミとして捨てた物から、見捨てたり決別してきた人まで、色んな物事が”捨てた”ことになる
- 具現化した物や人に水をかけると、清められたことになり、消滅する
- 能力の範囲内で誰かを殺害すると、その人が捨ててきた物や人も自分がおっかぶることになる
- 殺害された人は、捨ててきた物事から解放されて復活する
いずれにしてもシビル・ウォーの特殊能力の範囲内に入ってしまうと、最終的には自分が捨ててきた物事に、殺されることになります。
殺されて復活すれば、罪が清められて、捨ててきた物事から解放されますが、その代わり誰かが身代わりになって死ぬことになります。
それに、そもそもシビル・ウォーの特殊能力を受けない限りは、清められないからといって不都合はありません。
さらには、イエス・キリストの復活を信じて
そう考えると、何とも救いがないスタンドです。
有効度
シビル・ウォーの特殊能力自体が、最終的には死をもたらすものなので、その時点で有効度はかなり低いです。
一応、誰かに殺されれば、過去に捨ててきた物事から解放されますが、その代わりに誰かが犠牲になってしまいます。
それに清める対象が、キリスト教で定義される罪とは関係無い物事も多く、前述した通りシビル・ウォーの能力によって清められる必要などありません。
有効性を見出すのが、難しいスタンドです。
リスク
シビル・ウォーの能力を使うことには、リスクが付きまといます。
シビル・ウォーの影響範囲内に人が侵入すると、自動的に能力が発動して、その人に死をもたらします。
スタンドの影響範囲外に出て、死を免れた人も、精神的に多大な苦痛を受けることになります。そうなると、慰謝料などを請求される可能性もあります。
危なくて、能力を使うことができないスタンドです。
悪用度
他人の過去を暴くことに使えそうです。
能力の影響範囲内に入った人の過去を知ることで、犯した犯罪の情報など元に、脅迫して金品を受け取ることなどができそうです。
本当に最悪な部類の悪用方法です…。
世界への影響
能力の影響範囲が建物一つ分ですし、能力の範囲外には何の影響も与えません。
従って、世界への影響はとても小さいです。
使い道と活かし方
シビル・ウォーは何とも使い方に困るスタンドですが、気休め程度にこんな活用方法を考えてみました。
具現化した物事は、清潔な水をかけることで清めることができます。そこで、過去の過ちに悩んでいる人に、あえてその出来事を具現化し、水をかけて清めて悩みを軽くしてあげる、カウンセリング業が良いかもしれません。
清めたとしても過去の過ちの記憶が消えるわけではないので、結局、清めることよりもカウンセリングスキルが重要になる仕事です。
総合評価★★☆☆☆
シビル・ウォーは複雑な能力で、しかも自分にも他人にも利益をもたらすような能力ではありません。日常生活では実に使い勝手が悪いスタンドです。
そのような点を考慮して、総合評価は★★☆☆☆としました。
使いようが無いスタンドは、持っても無駄です…。
§シビル・ウォーが登場する巻(文庫本)§