スティール・ボール・ランの特徴として、もう一人の主人公であるジャイロ・ツェペリがスタンドを使えないことがあります。遺体の右目を手に入れたことで、一時的にスタンド能力を持ちましたが、右目を失ってからは、結局、最後までスタンドを持たないままでした。
ところが、スタンド能力を持たない時でも、ジャイロにはスタンドが見えているようです。
ストーンオーシャンまでは、凡人にはスタンドは見えなかったはずなのですが、なぜ見えちゃってるのでしょうか?
今回はジャイロにスタンドが見えちゃっている理由を紹介します。
もくじ
スタンドが見えている決定的シーン
ジャイロがスタンドを目撃しているシーンは、物語序盤で描かれています。
ジョニィとジャイロが初めて、スタンド使いであるブンブーン一家に遭遇した時に、ハッキリとそのシーンが描かれています。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン 2巻」
私はそのシーンを見た時に、”ジャイロは自分が気付いていないだけで既にスタンド使いなんだな”と思いました。
ところが、ジャイロがスタンド能力を持つのは、遺体の右目を入手してからです。しかも、右目をルーシー・スティールに渡した後は、スタンド能力を失っていますが、数々のスタンド使いたちと普通に戦っています。
私はスタンドが見えてない中で、勘で戦ってるのかなと思っていました。
でも、やっぱりちゃんとスタンドが見えているようです。
他にもウェカピポもフィラデルフィアでの大統領と戦っている時に、D4Cがハッキリと見えているシーンがありますね。
鉄球使いは、スタンドが見えちゃうんでしょうか…?
スタンドが見える条件が変わっている
物語の中盤、大統領の部下のブラックモアがこう言っています。
『見えるか?この「面」が?見えないか…ならばこの「包み」を持ったとしても…おまえは「スタンド使い」にはなれない』
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン 7巻」
ブラックモアのセリフから、どうやらスティール・ボール・ランからは、スタンド使いになれる素質がある人間には、スタンドが見えるようになったみたいです。
ちなみにこの時のルーシー・スティールにはキャッチ・ザ・レインボーのスタンドは見えていないようなので、スタンド使いの素質は無いということになります。
でも、スターダストクルセイダースから続く、スタンドのルールが変わってしまったのは、なぜなんでしょうか?
回転はスタンドに匹敵する特別な力
このスティール・ボール・ランでは、スタンド能力以上に“回転の力”が重要なものとして描かれています。これはバレンタイン大統領が遺体の心臓部分によって得た、D4Cの圧倒的な能力にも打ち勝つ力です。
この回転の力を生み出すためのカギになるのが、黄金比と呼ばれる「1:1.618」の比率です。
この黄金比はとても不思議な比率で、自然界であればひまわりの種やバラの花びらの並び方、カタツムリの殻の渦巻きなどに見られます。
また、芸術の世界でも有名な絵画や建造物の構図に、この比率が出てきます。
極めつけは金融や投資の世界でも、相場の上昇と下降の比率が、不思議と黄金比と一致することが分かっています。
この世の中の様々な事象に見られる、なんとも神秘的な黄金比率ですが、荒木先生はスティール・ボール・ランを描くにあたって、回転の力に強く興味を持ち、これを物語のカギになる力とすることを考えたそうです。
そして、物語のもう一人の主人公である、ジャイロ・ツェペリにこの力を持たせることにしたそうです。
ジャイロにスタンドが見えるようになった背景
で、ここからは私の推測なのですが、ジャイロが投げる鉄球は、スタンド能力ではありません。
しかし、物語には従来通り、スタンド使いが登場するため、従来通りのルールだと、ジャイロが見えないスタンドと戦うことになります。
それは無理があるということで、ルールをマイナーチェンジさせたのではないかと考えています。
最終的にはジャイロは、遺体の右目を失い、スタンド能力が消失してしまいました。それでも、ジャイロは次々と襲いかかるスタンド使いに勝利し続けました。
個人的にもスタンドが使えないジャイロが活躍するスティール・ボール・ランは新鮮で、とても楽しんで読むことができました。
荒木先生のスタンドが使えない主人公にこだわった結果の、ルール変更ではないかと思っています。
ちなみにスティール・ボール・ランの文庫本7巻の巻末には、改めてスタンドというものの説明が記載されています。
そこには『この「スタンド」を心で見る事のできる才能を「スタンド使い」という』と書かれています。
この定義に基づくと、スキャンの能力を失ったとしても、ジャイロはスタンド使いと言えるのでしょう。
まとめ
今回は個人的にモヤモヤしていた「ジャイロってスタンド見えちゃってるじゃん!」の疑問に対する考察を書いてみました。
でも、私が知らないだけで、公式の設定などがあるのかもしれませんね。
ご存知の方は、ぜひコメントから教えていただけたらありがたいです!
波紋使いにはスタンドが見える設定だった気がします。幽波紋(スタンド)なので波紋の派生で見えているのではないかと思います。チェペリは実際波紋を使うことが出来るので見えてると思います。
紫乃さん、コメントありがとうございます。
ただ、スティール・ボール・ランは、ストーンオーシャンとは別の宇宙のお話しになっているので、スティール・ボール・ラン以降は、公式に色々設定が変わっているんですよね。そのため、ストーン・オーシャン以前のルールは、一旦横に置いて解釈しなくてはならないみたいです。
まず、スティール・ボール・ラン以降の世界には、波紋使いは(今のところ)登場してないので、波紋自体が存在しないという設定です。当然、ジャイロ・ツェペリも波紋使いではないですね…。
そもそも、波紋使いはスタンドが見えるという設定も存在してましたっけ?
スターダスト・クルセイダース開始時点で、波紋使いはジョセフだけですが、登場時点で既にハーミット・パープルを使えるようになっていたました。
波紋使いだからというより、スタンド使いだから見えていると考えるのが、自然なんじゃないかなと思います。