黄金の風のクライマックスで、究極のスタンド能力として、レクイエム能力でした。そして、ブチャラティチームにその存在を紹介した、自らも矢を守るために発現させたのが、このシルバー・チャリオッツ・レクイエムです。
通常のスタンドが、人の精神力を具現化した超能力であるのに対し、レクイエムは全ての生物の精神を完全支配する能力です。
全ての生物の精神を支配するという途方もない能力を、平和的に活用することなどできるのでしょうか?
今回はジョジョの奇妙な冒険に登場した究極のスタンド能力の一つ、シルバー・チャリオッツ・レクイエムの能力の考察と、その活用方法を考えてみます。
もくじ
シルバー・チャリオッツ・レクイエムの能力
シルバー・チャリオッツ・レクイエムは、正式なスタンド名は、単に『レクイエム』です。しかし、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムと明確に区別するために、シルバー・チャリオッツ・レクイエムと呼ぶことにします。
シルバー・チャリオッツ・レクイエムの能力は、まず生物の魂を入れ替えることから始まります。
入れ替わるのは1対1で、3人以上がローテーション式に、入れ替わるようなことはありません。
そして、魂が入れ替わった後は、徐々に別の生物に変化していきます。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風 39巻」P.42
ポルナレフ曰く「別のモノに入れ変わる」ため、最終的にはそれまでの意思や精神が消滅し、完全に別の生物に生まれ変わってしまいます。
しかも、能力の影響範囲は、非常に広いです。エアロスミスで偵察した際も、視認できる範囲や、レーダーで探知できる範囲の全ての生物に影響が出ていました。
いったん能力を発動させると、社会を大混乱に陥らせる、カオスなスタンドです。
特徴
物語の中では、本体のポルナレフが、重傷を負った上に、カメのココ・ジャンボに乗り移ってしまいました。スタンド能力が衰えた上に、カメになってしまったことで、シルバー・チャリオッツ・レクイエムは暴走状態となってしまいました。
ポルナレフの”矢を守る”という、最期の意志が反映されて、矢を奪い取ろうとする者を、徹底的に排除するように行動します。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風 39巻」P.25
本来は近距離パワー型なのか、遠距離操作型なのでしょうが、ポルナレフ自身がすでに使いこなせる状態ではなかったため、どちらなのか不明です。暴走状態≒自動操縦状態と解釈し、遠距離自動操縦型にしました。
スタンドの像は、漆黒で兜か帽子のようなものを被った人型の姿です。しかし、これは人の精神の影であって、実際にはスタンドでありません。
そのため、攻撃してもダメージは、すぐに回復します。人が触れることも可能です。
実際のスタンドは、シルバー・チャリオッツ・レクイエムの影響下にある人それぞれの後頭部の辺りに存在する球体です。
これを破壊することで、完全に消滅させることが可能です。
項目 | 評価 | 備考 |
---|---|---|
破壊力 | E | |
スピード | E | |
射程距離 | A | 暴走状態になった時点で射程距離は事実上∞ |
持続力 | A | |
精密動作 | E | |
成長性 | A | どういった点が成長性と言えるのか不明… |
成長性がAですが、シルバーチャリオッツが、レクイエム化したのは矢の力のおかげです。それを成長と呼ぶのか疑問です。
スピードはEですが、カメのポルナレフを襲う時の動作は、とてもEとは思えません。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風 39巻」P.31
普通とは違う、かなり特殊なスタンドのため、通常のようなスペックでは説明しづらい能力です。
特殊能力
黄金の風のクライマックスをエキサイティングなものにしている、中心的な能力です。そのため、特殊能力が分かりにくい部分もありますが、整理するとこの4つです。
- 生物同士の魂を入れ替える
- 敵対者のスタンドを操る
- 魂が入れ替わった生物全てを、別の生物にしてしまう
- 能力の影響範囲にある生物に、影の人間の存在を見せる
レクイエム能力は、生物の精神を操るものです。
スタンドは精神力を具現化したものなので、敵のスタンドも操ることができます。
影のような人間を見せることも可能ですし、魂ごと別の生き物に変えることもできてしまいます。
精神を支配できる無敵の能力です。
有効度
他人の体と入れ替わって、違う人生を送れるというのは、一見するととっても魅力的です。
ところが、シルバー・チャリオッツ・レクイエムの場合は、入れ替わった後に、別の生物に生まれ変わってしまいます。
その時には、それまでの記憶や精神も消滅してしまいます。
全く別人に生まれ変わりたいのであれば、いいのかもしれません。しかし、多くの人はそうではないはずです。
また、魂を入れ替える対象が制御可能であれば、まだ使い道もありそうです。ところが、それも不明です。
無差別に魂を交換することになると、非常に使い勝手が悪く、使い道が見出しづらいスタンドです。
リスク
他人を別の生物に生まれ変わらせるというのは、それまでの人格を消滅させることなので、殺人に近い行為です。
そんな能力を使うこと自体がリスクの塊です。
究極的な能力にも関わらず、実際には有効活用が難しいスタンドです。
悪用度
悪用するにしても、自分に利益が無ければ有効とはいえません。
そういった意味では、他人を別人に生まれ変わらせることで、自分に利益をもたらす使い方が思いつきません。
しかも、犯行を隠すことも困難なので、悪事にも不向きと言えそうです。
世界への影響
能力の影響範囲が非常に広いです。
物語の中でも、ローマという世界有数の大都市で、人の魂を入れ替わらせています。
当然、ローマは大混乱に陥るため、世界への影響も大きいです。
さすがレクイエム能力なだけあります…。
使い道と活かし方
能力の最終結果がある意味、殺人に近いので、非常に使いづらい能力です。
しかし、それを逆手に取って、このような活用方法を考えてみました。
全く別人に生まれ変わらせることができる能力を活かし、死刑執行の代わりにします。
全く別の何かに生まれ変わらせることで、新しい人生を生きるチャンスを与えるのです。刑を執行する時には、必ず2人一組である必要があるので、対象者が2人になるまでは、刑の執行は保留です。
それまでの人格は消滅するため、死刑執行したことに等しいです。その上、今度は世の中に貢献できる人間になる可能性もあるため、死刑よりは人道的な刑罰ではないかと思います。
ただし、この使い方は能力を制御可能な場合に限ります。対象者が無差別になってしまう場合は、もはや使い道が存在しません…。
総合評価★★☆☆☆
魂を入れ替えて別人になれるというのは、夢のような能力です。しかし、最終的には別人になってしまうという恐ろしい能力です。
たとえ、能力をコントロールできたとしても、他人の人格を消滅させかねない、危険なスタンドです。
それを踏まえて、総合評価は★★☆☆☆としました。
スタンドの究極形なのに、とても残念な能力です…。
§シルバー・チャリオッツ・レクイエムが登場する巻(文庫本)§