映画やドラマ、演劇には、物語を盛り上げるための様々な演出がありますね。
そのうちの一つに、登場人物の散り際を、ドラマチックにするための『死亡フラグ』とも呼ばれる演出があります。
もちろんマンガにもありますよね。
例えば、登場人物たちが、このようなセリフを言い出すとかです。
- 「故郷に帰りたい」
- 「今まで言ってなかったけど、お前のことが好きだった」
- 「これが終わったら結婚しよう」
これ以外にも、死亡を匂わせるセリフや演出には、様々なものがあります。
もちろん、ジョジョの奇妙な冒険もそうです。
今回はジョジョの奇妙な冒険の登場人物の、様々な死亡フラグを紹介しながら、それぞれの死亡確定度を評価してみます(^^;
もくじ
死亡フラグとは?
まず、最初に“死亡フラグ”とは何かということを、簡単におさらいしておきましょう。
物語の登場人物が、間もなく死亡することを予感させる、セリフや演出のこと。
物語では、登場キャラクターが死亡する際に、悲しみや憤りなどの感情を盛り上げるために、例えば次のような演出をすることが多い。
- 故郷を懐かしむセリフを言う
- 将来の夢を語る
- 自分勝手だったのに、急に献身的に振舞う
- 仲が悪かったのに急に和解する
- 自信満々で自分勝手に行動する
そのため、逆にこのような演出があると、見ている側は、そのキャラクターの死が迫っていることを感じ取ってしまうことがある。
そこで、そのように感じさせるセリフや演出を指して”死亡フラグ”と読んだり、”死亡フラグが立った”などという。
ジョジョの奇妙な冒険でも、色んなキャラクターたちが死んでいきます。そして、多くの場合、ちゃんと死亡フラグが立ってます。
ただし、ジョジョの場合は、ちょっと独特なものが多いようです(^^)/
というわけで、順番に見ていきましょう。
死亡フラグありのキャラクターたち
対象とするのは、敵味方問わず、“あ、これ死ぬんじゃね…”と感じられるキャラクター全てです。
それぞれの言動や演出から、死を感じさせる度合、“死亡確定度”を5段階で評価してみます。
というわけで、第一部のファントムブラッドから順番に見ていきます。
ウィル・A・ツェペリ
ジョジョの奇妙な冒険の主要キャラクターの中で、最初に死亡したのは、ウィル・A・ツェペリです。ここを読んだ時は、泣いたなぁ…。
「愛してその人を得るのは最上である…。愛してその人を失うのはその次によい。」
本当にその通りだと思う言葉です。
ツェペリは、苦戦するジョナサンを助けるために、タルカスに挑み敗れてしまいました。
タルカスに挑む直前に、自分の師であるトンペティから言われた、自分の死に様の予言を思い出し、今がその時であることを悟ります。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part1 ファントムブラッド 3巻」P.87
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part1 ファントムブラッド 3巻」P.90~91
死亡フラグというよりは、これから死亡することを自ら予告してる感じですね。
ここを読んだ時には、死亡確定といった感じで、ショックだったのを覚えてます。
というわけで、最初から評価は★★★★★です(^^)/
ジョナサン・ジョースター
第一部、ファントムブラッドの主人公、ジョナサン・ジョースターも最後はディオを道連れにして死んでしまいます。(結局ディオはジョナサンの体を乗っ取ることに成功して、生き残るわけですが)
では、どこが死亡フラグかということですが、ジョナサンの場合は、エリナとの幸せいっぱいの新婚旅行のシーンでしょう。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part1 ファントムブラッド 3巻」P.242
幸せの絶頂を表現したこのシーンは、まさに死亡フラグの典型ですよね。
とは言え、この時点では、かなりの不幸が起きそうな予感はしても、まだ死ぬとまでは思わないかもしれません。
私の場合は、”主人公だし、むしろエリナの方が死んで、ジョナサンが生き残るんじゃね”と思って読んでました。そういうわけで、死亡確定度は★★★☆☆です。
シーザー・A・ツェペリ
第二部の戦闘潮流に登場する、シーザー・A・ツェペリは、ウィル・A・ツェペリの孫です。
ジョセフに祖父のことをけなされ、意地になったシーザーは、単独でカーズたちが待つ館に乗り込みます。
そこで、ワムウと戦い『神砂嵐』を喰らって、敗れてしまいます。祖父と同様に、最期は仲間のジョセフに、解毒剤入りのピアスを託して絶命しました。個人的には、やっぱり、ここも涙腺崩壊のシーンです。
そんなシーザーの死亡フラグは、リサリサが語る彼の生い立ちのエピソードです。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part2 戦闘潮流 6巻」P.200
ほとんどの人はこのエピソードを読んでも、シーザーが死ぬとは感じないでしょう。しかし、ジョジョではシリーズを通して、生い立ちを紹介するシーンが挿入されたキャラクターは、その後高確率で死亡する傾向が高いんです。
とは言え、死亡確定度は低いので、★★☆☆☆と評価しました。
モハメド・アブドゥル
第三部、スターダストクルセイダースに登場するモハメド・アブドゥルの場合、典型的な死亡フラグがあります(^^)/
ジョセフたちと分断されたアブドゥル、ポルナレフ、イギーは、意を決してディオの館に突入します。
その時のポルナレフとの会話は、まさにザ・死亡フラグです(^^;
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース 16巻」P.89
意見が衝突することが多いアブドゥルとポルナレフが団結して(仲が悪いのに急に和解)、戦いが終わったら飯を奢れなんて言ってます。(将来のことを語る)
さらには仲間を助けず、自分の身を最優先に守れなんて言って、暗に自分が仲間を助けて犠牲になることを匂わせています。
サラッと描かれているものの、わざわざそんなやり取りをしているところが、”アブドゥル死んじゃうのかなぁ”と感じさせるシーンです。
というわけで、死亡確定度は結構高めの★★★★☆です。
イギー
同じくスターダストクルセイダースに登場する、ボストンテリアのイギーにも死亡フラグが存在します。
ヴァニラ・アイスに蹴りを入れられ瀕死の重傷を負った、イギーでしたが、ポルナレフを助けようとします。
その時にポルナレフがイギーに言った「おめーはおれを助けるな」というセリフが、死亡フラグです。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース 16巻」P.197
そんなこと言ったら、イギーが無理して、ポルナレフを助ける事確定ですよね…。
しかし、この時には既にイギーはかなりの重傷です。絶体絶命の状態なので、ある程度、死は予想できる状態なので、死亡フラグとしては少々弱めです。
そのため、死亡確定度は★★★☆☆としました。
花京院典明
スターダストクルセイダースの死亡フラグとして、最も分かりやすいのが、花京院典明です。
ディオのスタンド能力の秘密を暴く方法を思い付いた花京院は、ディオに立ち向かいます。
その直前の彼の回想シーンがそれです。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース 17巻」P.49
花京院典明は「法皇の緑」を見て考える!
こいつを昔のように誰にも気づかせなくしてやる。
そう!DIOの正体をあばき、倒すため完璧に気配を消してやろう。
花京院の名ゼリフとして、誰もが知ってますよね。でも、花京院の決意と覚悟が現れ過ぎていて、死の予感が出まくりです。
そういうわけで、死亡確定度は★★★★☆としました。
岸辺露伴
第四部のダイヤモンドは砕けないの主要キャラクターで、唯一死亡フラグを感じさせるのは岸辺露伴です。(と言っても、最終的には死んでないですけど…)
吉良吉影を追う岸辺露伴は、川尻早人を発見し、ヘブンズ・ドアーの能力を使って、彼の記憶を読み始めます。
その際の「【警告】この先を読んではいけない」が、死亡フラグです。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない 28巻」P.159
死亡を予感させるという意味では、直球ストレートな描写なので、死亡フラグとするかは微妙かもしれません。
しかし、死亡確定度は高いと思うので、評価は★★★☆☆です。
レオーネ・アバッキオ
第五部のレオーネ・アバッキオは少し特殊なパターンです。
死亡フラグとしては、ジョジョの奇妙な冒険の場合の典型的なパターンである、若い頃や生い立ちの回想シーンによるものです。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風 37巻」P.54~55
しかし、この回想シーンの直前に、ディアボロに致命傷を負わされています。
アバッキオの安否が気になる所に、この回想シーンの挿入なので、死亡濃厚な演出となっています。
というわけで、評価は★★★★☆です。
ナランチャ・ギルガ
ジョジョの奇妙な冒険の中でも、最も有名な死亡フラグの一つが、ナランチャ・ギルガでしょう。
ブチャラティの生存と矢の入手を確認したナランチャは故郷に帰って、マルガリータピザを食べたり、学校に行くなどと語り始めます。
まさにザ・死亡フラグです(^^;
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風 38巻」P.251
そんなこと言っちゃったら、死亡確定ですね…。
というわけで、評価は文句ナシの★★★★★です。
ブローノ・ブチャラティ
ブローノ・ブチャラティの死亡フラグは、少し複雑です。
まず、ディアボロとの初遭遇時に、お約束の生い立ちの回想シーンが入ります。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風 35巻」P.5
しかし、その後の先頭では致命傷を負うものの、ジョルノの能力により、一命をとりとめます。
それでも、最終決戦時に死を覚悟して、シルバー・チャリオッツ・レクイエムを破壊したことで、戻る体が無いブチャラティの魂は、昇天してしまいます。
ところが、これで終わらず、第五部のエピローグで、チームにジョルノが加入する直前のローリング・ストーンズとの騒動のエピソードが描かれています。
このエピソードは最終的に、ブチャラティ、アバッキオ、ナランチャの死亡を示唆して終わっています。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風 39巻」P.316
これを死亡フラグと呼ぶのかは微妙ですが、異例の後付けの死亡フラグとなっています。
ブチャラティの場合は、色々と複雑ですが、当初は死ぬとは思えないので、評価は★★★☆☆としました。
フー・ファイターズ(F・F)
フー・ファイターズの死亡フラグも、ジョジョの定番である、回想シーンです。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン 45巻」P.249
ところが、実際に死亡するまでは、二転三転します。
直後のバトルでは、ホワイトスネイク水を熱湯にしてしまう能力を無理やり持たされてしまい、絶体絶命のピンチになります。しかし、この時はウェザー・リポートのお陰で復活します。
しかし、最終的にはウェザー・リポートに変装したプッチ神父によって、致命傷を負わされてしまい絶命します。
一旦は、助かったと思わせておいて、やっぱり死んでしまうという、特殊なタイプです。回想シーンの挿入は死亡確定度は高いものの、その特殊性を差し引いて、評価は★★★★☆としました。
ウェザー・リポート
ウェザー・リポート(本名、ウェス・ブルーマリン)の死亡フラグも、やはり幼少時代から、青年時代にかけての回想シーンです。
この後の、兄弟による直接対決で、不運な形で敗れて死んでしまいます。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン 48巻」P.230
ただし、この回想シーンは3話に渡って長々と続きます。ウェザー・リポートだけでなく、エンリコ・プッチの青年時代の紹介にもなっています。そのため、ウェザーの死亡フラグと思わない人も多いかもしれません。
少し死亡確定度が下がるため、評価は★★★★☆としています。
ナルシソ・アナスイ
ナルシソ・アナスイの死亡フラグは、プロポーズです。メイド・イン・ヘブンとのバトル中という、緊迫した状況のなかで、承太郎に突然、徐倫との結婚の許可を願います。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン 50巻」P.125
通常、プロポーズするというのは、死亡フラグとしては典型的で、かなりの死亡確定度です。ところが、それに対して承太郎は「今…なんて言った?」「言ってる事がわからない」「イカれてるのか?」とまともに取り合ってくれません。
承太郎も普通の親父なんだなと思わせるだけのシーンです。
とても死亡フラグとは思えないため、評価は★☆☆☆☆です。
ジャイロ・ツェペリ
スティール・ボール・ランのもう一人の主人公、ジャイロ・ツェペリの死亡フラグは「LESSON5だ」というジョニィへの言葉です。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン 15巻
突然のカッコいい宣言と共に、ヴァレンタイン大統領に最後の一撃を放ちます。ところが、ジャイロが放った鉄球には、次元を破る無限の回転の力は存在せず、あえなく敗れてしまいます。
一瞬、勝利への宣言のように感じて、まさか負けてしまうとは思えませんよね…。
死亡確定度はかなり低いので、評価は★☆☆☆☆です。
ファニー・ヴァレンタイン
スティール・ボール・ランのボスキャラ、ファニー・ヴァレンタインの死亡フラグも、ジョジョのお約束、回想シーンです。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン 15巻
彼の生い立ちを描きつつ、この直後のジョニィとのやり取りの伏線にもなっています。
ただし、この時点で、既にタスクACT4の攻撃を受けているため、明らかに死亡確定の状態です。
それを踏まえると、死亡フラグと呼ぶのは微妙かもしれませんね。
というわけで、評価は★★★☆☆としました。
番外編
さて、ここまでは主要キャラクターの死亡フラグを見てきました。
しかし、ちょい役で登場のキャラクターにも、いかにもな死亡フラグが存在します。
全部、紹介するとキリが無いので、代表的なものをいくつか紹介しますね。
ウィルソン・フィリップ上院議員
スターダストクルセイダースの最終バトル時に、ジョセフと花京院を追いかけるディオに車を運転させられたキャラクターです。
ディオに関わってるというだけで、最高確定度の死亡フラグです。
そんな中でも、彼自身のこの考え方が死を確実なものとしています(-_-;)
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース 17巻」P.7
歯を折られ、最後は力任せにジョセフたちの車に投げつけられるという、壮絶な最期を遂げました…。
当然、評価も★★★★★です。
犬のフンを片付けないオヤジ
ダイヤモンドは砕けないの序盤での、アクアネックレス戦に登場した、犬の散歩中に通りがかったオヤジです。
仗助の母親の「犬にウンコさせてかたづけないヤツがいるのよ。」のセリフから、アンジェロの前に登場してしまうことで、あ、殺されちゃうな…といった感じです。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない 18巻」P.80
常習犯とはいえ、犬のフンを片付けないだけで、殺されてしまった不運なオヤジです。
悪役に関わるだけで、死亡確定度が上がるため、評価は★★★★★です。
下着ドロボー
ダイヤモンドは砕けないの仗助と吉良吉影のバトル時に登場した、下着ドロボーも登場、即死亡確定なキャラクターです。
仗助との戦闘中の吉良の前に現れ、吉良を不法侵入者扱いします。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない 29巻」P.109
やはり、悪役の前に登場した時点で死亡確定ですね(-_-;)
評価は★★★★★です。
ジャン・ピエール・ポルナレフ
最後は、黄金の風で登場したジャン・ピエール・ポルナレフです。
実際には死んでないのですが、ディアボロに致命傷を受けた際に、アブドゥルやジョセフ、イギーなどのかつての仲間や、敵であるジャッジメントのスタンドなどが、走馬灯のように彼の頭をよぎります。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風 38巻」P.175
いかにも死んでしまいそうな描写ですが、実際には死なずに、亀に憑依して生き永らえます。
死亡フラグと思わせておいて、実際にはしなないので、評価は☆☆☆☆☆です(^^;
まとめ
ジョジョの主要キャラクターたちの死亡フラグを紹介しました。
私にとっての、ジョジョの死亡フラグNo.1はやはり、ナランチャです。
そんなこと言っちゃったら、死亡確定ですよね。ポルチーニ茸を乗せたマルガリータピザを食べさせてあげたかったな…。
ちなみに、ジョジョリオンでは、まだ主要キャラクターは生存中ですが、個人的にはみんな生き残る結末になって欲しいですね…。