ローリング・ストーンズは、黄金の風のエピローグに登場したスタンドです。
死ぬ運命にある人の下に現れ追跡し、触れた人を安楽死させるという能力です。
ヘタすると無差別殺人者にもなりかねない、コントロール不能なこのローリング・ストーンズに活用方法はあるのでしょうか?
というわけで、今回は黄金の風の最後を飾るスタンド、ローリング・ストーンズの考察と、活用方法を考えてみます。
もくじ
ローリング・ストーンズの能力
ローリング・ストーンズの本体はスコリッピという彫刻家です。
能力は、死ぬ運命にある者に、苦痛の無い死をもたらすことです。
スタンドの射程距離内にいる死期が迫った人の下に現れ、徹底的に追跡します。そして、ローリング・ストーンズに触れると、その人間は死を迎えることになります。
スタンドの外見は、球体の石で、表面に“凶”という字が彫られています。(イタリアなのに漢字って…)
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風 39巻」P.245
誰を追跡しているのかは、打撃を与えるなどして、ある程度破壊すると分かります。石の中には対象者の死に様を表した像が内在していて、表面が破壊されるとその像が現れます。
そして、その像に描かれた人以外は、触れても死ぬことはありません。あくまでも触れて死ぬのは、ローリング・ストーンズが死をもたらそうとしている対象者に限られます。
特徴
本体のスコリッピから、かなりの距離を離れられる長射程距離のスタンドです。
ただし、スコリッピにはコントロール不能で、死期が迫った人間を勝手に追跡し続ける遠距離自動操縦型スタンドです。
世界には死期が迫った人間など無数にいますが、ローリング・ストーンズが現れるのは、スコリッピの近所にいる人間のみです。そのため、射程距離内の人間しか対象にならないようです。
また、ローリング・ストーンズを破壊したからといって、死の運命から逃れることはできません。むしろ、死を受け入れずに抗うことで、待ち受ける運命がより過酷になる可能性があります。
それよりも、運命を受け入れて、ローリング・ストーンズによる死を選んだ方が、良い結果にできる可能性があります。
スコリッピのガールフレンドは、やがて患うことになる内臓の難病で死ぬことよりも、同じ難病に苦しむ父親を救うことを選びました。そして、父親に移植する臓器を残すために、ローリング・ストーンズを受け入れて死にました。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風 39巻」P.281
一方で、ブチャラティたちもローリング・ストーンズの死を受け入れていれば、ジョルノに会うこともなく、ナランチャもアバッキオも死ぬことは無かったかもしれません。
項目 | 評価 | 備考 |
---|---|---|
破壊力 | なし | なしというよりも破壊する何かを破壊する意志が無いだけ |
スピード | B | |
射程距離 | A | 1km~2kmくらい? |
持続力 | A | |
精密動作 | E | |
成長性 | なし |
持続力はAで、対象者の追跡を始めると、相手に死をもたらすか、自分が破壊されるまで持続し続けます。
能力の発動や解除は、本体のスコリッピにも不可能です。
特殊能力
ローリング・ストーンズの特殊能力は、次の3つです
- 死ぬ運命にある者の下に出現する
- 対象者の像を石の中に内在し、死に様を示唆する
- 触れた者を苦痛なく死なせる(対象者以外は触れても死なない)
原作中ではスコリッピは、“運命”のことを色々と述べていますが、ローリング・ストーンズの能力には、人の運命を左右する力は無いと考えられます。特殊能力自体は、単に対象者を苦痛を感じさせず、死なせるだけです。
ミスタがローリング・ストーンズを破壊した後に、ナランチャとアバッキオの死が示唆されたのも、ブチャラティたちが自ら苦難の道を選んだからと考えられます。
また、花屋の娘はスタンド使いではないと考えられるため、凡人にも見えるスタンドです。原作中ではミスタにしか見えてないような描写がありますが、後にブチャラティにも見えています。
自動車で移動するブチャラティ一行の前に、次々に現れていることから、恐らく対象者の前に瞬時に移動する瞬間移動能力を備えていると思われます。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風 39巻」P.255
有効度
死にたいと考えている人を、安楽死させるのであれば、有効かもしれません。
しかし、実際には放っておいても、そのうち死ぬ人しか、対象にならないです。そう考えると、不治の病にかかっている人を、楽に死なせてあげるのであれば、役に立つかもしれません。
ちなみに私だったら、人生の時間は、1分でも有意義に使いたいと思う方なので、ローリング・ストーンズの能力で死ぬのは、苦しくてどうしようもない時だけにしたいです(^^;
リスク
ローリング・ストーンズが殺す相手は、死期が迫った人間だけです。
とは言え、たとえ臨終間際であっても、手を下したのが他人であれば、それは立派な殺人罪です。
つまり、放っておけば死ぬ人を、わざわざ自分の手で皆殺しにすることで、自分を大量殺人者にしてしまう能力です。
しかも、制御不能なので、自分にとっても他人にとってもリスクの塊でしかない能力です。
悪用度
悪事に使うにしても、制御不能なので、使いようがありません。
暗殺目的で使おうとしても、殺せるのは死期が迫った人だけです。
これでは、悪事にも使えません。
世界への影響
見た目は無差別殺戮を繰り返すスタンドですが、実際にはそのうち死ぬ人を殺しているだけです。
しかも中には、楽に死ねて喜ぶ人もいます。
そのため、世界への影響はほとんどありません。
使い道と活かし方
ローリング・ストーンズは自分自身を殺人者にしてしまいかねない、リスキーなスタンドです。しかし、楽に死なせるということは人道的な意味では、プラスになります。
そこで、こんな活用方法を考えてみました。
ローリング・ストーンズは、死の運命にある人に苦痛の無い死をもたらす能力です。そこで、死刑囚の心に平安を与えるための教誨師が良さそうです。
死刑囚と対話して、心に平安を与え、死を迎えるための準備ができた時点で、ローリング・ストーンズに触れさせて楽に死なせてあげます。
ローリング・ストーンズ自体は制御不能なので、準備ができるまでは、スタンドをガッチリ固定して動かなくする必要があります。
目の前に自分に死をもたらす石があるなんて、死刑囚にとっては恐ろしくてしょうがないので、見えない場所に拘束しておく必要があります(^^;
総合評価★☆☆☆☆
ローリング・ストーンズは、人間にとって最も避けたい死の苦痛を取り除いてくれる、人のためになるスタンドです。
でも、制御不能というのがこの上ない欠点です。
また、ブチャラティたちのような強い意志を持った人間にとっては、むしろ迷惑千万なスタンドかもしれません。
自分自身も殺人者になってしまうリスクを考えると、総合評価は★☆☆☆☆としました。
やはり、人の死のタイミングは、神様に委ねるのが一番です…。
§ローリング・ストーンズが登場する巻(文庫本)§