タスクは、スティール・ボール・ランのもう一人の主人公、ジョニィ・ジョースターが操るスタンドです。
回転の力を乗せた、爪の弾丸を発射するという能力です。
理解するためにはフィボナッチ数列や、黄金比のことを理解する必要があるという、歴代主人公の中でも難解なスタンドです。
しかも、成長段階が4つあるというのも、シリーズを通して類を見ない特徴です。
果たしてタスクにはどんな使い道があるのでしょうか?
今回はその能力の考察と、活用方法を考えてみます。
もくじ
タスクの能力
タスクはAct1からAct4までの4段階あります。どの段階でも、爪弾の発射が基本能力です。
以下、4段階それぞれの能力の特徴を紹介します。
Act1の特徴
Act1の能力が発現したきっかけは、悪魔の手のひらで遺体の左腕を入手したことです。
知らぬ間に手に入れた遺体の力により、発言したスタンド能力は、回転の力の秘密を求めるジョニィの心を反映したものになりました。
その特徴は、自分の指先の爪を回転させ、弾丸として発射することです。発射した後はしばらくすると、再び爪が生えてきます。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン 3巻」
ジョニィ曰く、生える速度はハーブティーを飲むことで加速するらしいですが、物語中では実際にハーブティーを飲んで、爪の再生速度が増しているシーンはありません。
それにしても普通は爪を剥がすなんて、激痛ですし大量に出血するはずです。しかし、平然と爪弾を連射していることから、指先の保護や爪の再生速度上昇なども隠された特殊能力の一つと考えられます。
この基本の爪弾の能力をAct1として、Act2以降は、これに各段階毎の特徴が加わっていきます。
項目 | 評価 | 備考 |
---|---|---|
破壊力 | E | |
スピード | E | |
射程距離 | E | 爪弾ではなくスタンド自体の射程距離 |
持続力 | B | |
精密動作 | E | |
成長性 | A |
Act2の特徴
Act2はジャイロから教わった、黄金比の長方形が生む回転の力を宿した能力です。
サンドマンのスタンド、イン・ア・サイレント・ウェイの攻撃により絶体絶命の危機に陥った時に発現しました。
その特徴は爪弾の弾痕が、ターゲットを自動追尾するというものです。弾痕は相手の急所を目がけて、物体の表面を移動します。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン 8巻」
蝶の羽に着弾させ、飛べなくなって落ちた蝶の羽から弾痕を移動させるなんて、芸当もできます。
自動追尾能力を手に入れたことで、ただの銃撃から飛躍的に戦闘能力が増しました。
項目 | 評価 | 備考 |
---|---|---|
破壊力 | D | |
スピード | D | |
射程距離 | D | |
持続力 | C | なぜか持続力が落ちている |
精密動作 | C | |
成長性 | A |
Act3の特徴
Act3はアクセル・ROとの戦いで進化しました。遺体の本人からの声により精神的な成長を遂げたことにより発言しました。
特徴は爪弾の弾痕に、自分の体の一部や全身を入れて移動するというものです。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン 11巻」
弾痕は移動できるため、移動先から手だけを出して銃撃することもできます。
また、危機的な状況では、自分を銃撃して弾痕に入り込むことで、危険を回避することも可能です。
項目 | 評価 | 備考 |
---|---|---|
破壊力 | D | |
スピード | D | |
射程距離 | D | |
持続力 | D | さらに持続力が落ちている |
精密動作 | C | |
成長性 | A |
Act4の特徴
Act4は大統領との戦いに臨む際のジャイロの秘策、『黄金長方形のフォームで走らせた馬の鐙から得る回転力』を取り入れることで発現する能力です。
爪弾に乗せたその回転の力は無限で、着弾すると相手の細胞の一つ一つに至るまで回転します。またこの爪弾は次元を超越することができるため、遺体の力を得たD4Cラブトレインの光のカーテンも突き破り、DIOのTHE WORLDで止まった時間の中でも動くことができます。
©集英社文庫「ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン 15巻」
この無限の回転の弾丸を受けた相手は、体の自由を奪われ、最終的にはこの世から消滅してしまいます。
止まった時間の中でも動きを制限されないスタンドなので、メイド・イン・ヘブンはもちろん、ワンダー・オブ・Uをも凌駕するスタンドと言えます。
タスクAct4に勝つには、まさに原作でDIOがやったように、無限の回転を相手に返してしまうことだけですが、それも一度きりしか効果が期待できない奇策と言わざるを得ません。
馬を理想の状態で走らせるという騎乗スキルが必要になるため、使用するには高いハードルがありますが、どのようなスタンドもAct4の爪弾を防ぐことができません。
まさにジョジョの奇妙な冒険のシリーズを通して、最強のスタンドと言えます。
項目 | 評価 | 備考 |
---|---|---|
破壊力 | A | |
スピード | B | |
射程距離 | C | |
持続力 | A | “∞”で良い気がする |
精密動作 | B | |
成長性 | E |
その他の特徴
スタンドの像は可愛らしい動物のようなものから、機械仕掛けの人形のような姿まで、段階によって様々です。
このタスクのスタンドは爪弾にエネルギーとして乗っており、時には爪弾から出現することもあります。その際には、直接相手をオラオララッシュで攻撃することもあります。
その他、爪弾で地面にトンネルを作るなど、足が不自由なジョニィの移動を助けるような使い方もできます。
基本的に拳銃のような使い方ができるため、戦闘時には使い勝手がよいスタンドです。
特殊能力
成長段階による、特殊能力はそれぞれの特徴のところに書きましたが、一言で表現すると回転の力です。
この回転の力には、回転力による切断や掘削という特徴から、時空を超越するものまで幅があります。
ここでは時空を超越する、無限の回転の特徴を整理してみます。
- 馬の黄金回転の力を受けることで発現
- 無限回転の爪弾はD4Cラブトレインが作り出した光のカーテンも突き抜ける
- 無限回転の爪弾は止まった時間の中も動ける
- 黄金回転の爪弾がヒットすることで無限回転が相手に伝わる
- 無限回転の影響を受けた相手は細胞の一つ一つまで回転し体の自由を奪われる
- 無限回転の影響を受けた相手は最終的に無になって消滅する
ちなみに黄金比やフィボナッチ数列には、“無限”の要素は無いので、無限回転の力はあくまでも物語上の創作要素となります。
フィボナッチ数列とは、前の2つの数字を足した数が連なった数列のことです。具体的には1(1+0)その次は2(1+1)、3(1+2)、5(2+3)、8(3+5)、13(5+8)、21(8+13)…といった感じです。
そして、下の図のようにフィボナッチ数を1辺とする正方形を次々とくっ付けて、作った長方形の縦横の比率は、1:1、1:1.5、1:1.666…、1:1.6、1:1.625、1:1.616、1:1.619という感じで、最終的に1:(1+√5)/2(約1:1.618)に近づいていきます。
この比率を黄金比と呼びます。
この黄金比率の長方形を構成する正方形のの1辺を半径とする円弧を連ねていった渦は、花の花びらの並びやヒマワリの種の配列、カタツムリの殻の渦巻き等、自然界の様々なデザインや構造に表れています。
他にも名作といわれる絵画の構図や、金融における相場の値動きに至るまで、この世界のあらゆるもので登場する実に不思議な比率で、“神の見えざる手”なんて呼ばれることもあります。
有効度
タスクのスタンド能力は基本的に、戦闘向きなので、平和目的の利用が難しいです。
唯一便利そうなのがAct3の弾痕の中に自分の体を入れて移動する能力です。
離れた場所の物を取ったり、何か作業をする時に便利そうです。
リスク
爪弾は普通の拳銃と違って、暴発するような危険も少なそうです。
時空を突き抜ける宇宙規模の壮大な能力ですが、間違って撃たない限りは安全なスタンドです。
リスクは、ほぼ無いといえるスタンドです。
悪用度
壮大なスタンドではあるものの、悪用しようと考えると、せいぜいAct3の能力を使った建造物侵入や窃盗行為くらいです。
あとは原作でジョニィがやっているような、カジノでのイカサマ行為等でしょう。
悪事にはあまり向かないスタンドです。
世界への影響
黄金比とか、時空を突き抜けるなんて、宇宙規模での影響がありそうです。
しかし、実際には能動的に宇宙に影響を与えるような能力ではなため、そのような心配はありません。
あくまでも拳銃に類似する能力でしかないため、世界への影響は皆無です。
使い道と活かし方
無限回転の爪弾は乗馬スキルが必要であることや、そもそも人を消滅させてしまう能力であることなど、様々な難があります。そこで、Act3の能力を使ってこんな使い道を考えてみました。
Act3の爪弾の弾痕に入り込む能力を使った、非破壊検査が便利そうです。
弾痕は物を壊さずにその表面を移動するだけなので、物体の内側に入って中を検査したり修理したりすることができます。古い文化財などを壊さずに内部を調べたり、物を取り出したりもできます。
注意点は自分自身が中に入り込んで作業することになるため、安全が分かっている物の中にしか入らないようにする必要があります。
総合評価★★★☆☆
タスクの能力は、結局のところ人の命を奪うものなので、平和利用には向いていません。
最強であったとしても、総合評価は★★★☆☆という平凡なものにさせていただきました。
自分の日常生活は、便利にできそうですし、何よりもハーブに詳しくなれそうです…。
§タスクが登場する巻(文庫本)§